東西南北七並べ

すき焼き

コードギアス 「皇道」の感想・考察殴り書き

 

感想と考察のごっちゃ煮です。
1回目鑑賞直後の書き殴りにつき曖昧な部分もありますので違ってましたらご容赦。


「興道」「叛道」とはうって変わって大筋のカットは少なく、かなり慎重に尺を取った印象でした。(アキトの反省でしょうか)
ルルーシュ・スザクの2人が全体的にTV版よりも大人な性格で描写されていた部分も含め全体としてかなりうまくまとめたなぁと感じました。一方で挿入歌については個人的には新規曲はうーん……という気持ちになってしまい(特にルルーシュVSナナリー/スザクVSカレンのパート)、思い出補正抜きにしてもちょっとどうなんだろうという節も無きにしも非ずでしたがまぁ個々の受け取り方ということで。
そして追加シーンですよ追加シーン。
なにはともあれ思ったことをメモとして投げておきます。

 

・シャーリー関連
そもそも生存ルートであること、それゆえ新規カットの多くがシャーリーに関するものであること、そして今回の皇道での諸々により、俄然メインヒロイン見えてきてる、風を感じる。「皇道はシリーズを否定するものではなく、それが持っていた可能性の1つを指し示すもの」であることから、シャーリーの生存により分岐した正史とでもいうべき展開と考えます。

:シャーリー、竹林でC.C.と遭遇
スポットライトの演出が完全に新宿ゲットーでのルル-シュのそれ。
TV版と違い生存させていることに意味があると仮定するならばこのシーンにも意味があるはず。C.C.と接触することの意味といえば第一に上がるのはやはりギアスの発現ではなかろうか。
(ルルーシュを復活させるギアスだと面白いなぁという個人の願望)

ルルーシュ(?)との電話
相手が言葉を発していないのでルルーシュと断定はできないという意味での(?)ですが状況的にはまぁルルーシュでしょうといいたい。が、ギアスなら実は全然別人で……というようなどんでん返しもないとは言い切れないのが怖いところ。
重要な点としてはジェレミアについて言及しているところかと思われ、それをわざわざ補完するというのはまぁ「復活」において重要な要素になってくるんでしょうね。

と思ってたらラストシーン……


:ラスト
C.C.「ジェレミアとシャーリーの奴、こんなところに運び込んでいたとは」
作中にてわざわざ関係性を補完したこの二人が最も強く結びつく要素は、言うまでもなくルルーシュ
であるならば、候補としての可能性は
ルルーシュ自身
ルルーシュに関係する物品
あたりでほぼ決まりでは。
前者であれば遺体かそれに近い状態(仮死とか)、
後者であれば復活の依代になるようなものなのかなと思います。

C.C.「あの日の約束は果たされるのを待ってもいいのか?
それともまた時の流れを漂い続けるのか?」(うろおぼえ)
ここでいう約束とはR2-24話の「私に笑顔をくれるんだろう?」及び「経験という積み重ねはもうおしまいにしようと思ったんだ」により「C.C.を不死から解放し笑顔を取り戻させること」と推測。現状では「C.C.を不死から解放する=誰かにコードを引き渡す」なので当然ながら対象となる達成人はルルーシュであり、C.C.を笑顔にするのも側にいてやれる存在としてのルルーシュの役目である。
ということは、C.C.にはルルーシュを復活させる願いがあり、そのために(ラスト、あるいはシャーリーとの邂逅も含め)動いていたと考えるのが自然です。また同様にこれでC.C.がまだコードを持っていることも確定しています。

ジェレミアとシャーリーからの手紙が流石にあの一瞬では読み取れなかったんですが、これが5週目の入場特典(招待状)だったりする?


・ゼロレクイエム関連

:ゼロレクイエム・剣の描写追加・「ゆけ、仮面の騎士よ」カット
ルルーシュを貫く剣の強調は断罪と清算の演出だと理解したけど「ゆけ、仮面の騎士よ」カットには意図的なものを感じる。そもそもTV版においては、忠義キャラかつ事情を全把握しているジェレミアは、いかに計画とはいえ主君が死ぬ間際にこんな爽やかな顔でこんなセリフを吐いてスザクを送り出せるものだろうか?

という性格の整合性をとると、TV版のルルーシュは少なくとも永遠の離別(≒物理的な死)にはなっていないのではないかと僕は考えているので、今回そのセリフがカットされたことで逆に「皇道」においてはルルーシュは死んだのだというスタンスです。


ルルーシュ走馬燈
TV版が諸々の考察(走馬燈、タイトル、心音、「1話に全てを込めた」発言など)により
円環構造になっている、あるいはそう見えるように作っていることはかなり信ぴょう性が高いのに対し3部作ではその要素を全て取り払っています。
走馬燈についてTV版では「現在から過去」にむけて流れていたのに対し「皇道」では「過去から現在」になっているうえに映しだされる内容が変わっている(少なくとも自分にはそう見えました、違っていたらすいません)ことからも「終わるためではなく、始めるための映画」として直線構造へと描きなおしたのだろうと推測します。


・その他感想

:「土の味」

スザクが大人しかったり、トーキョー租界破滅後のルルーシュ取り乱しがカットされている。亡国のアキトでの描写を踏まえ、少し大人になったスザクとルルーシュという雰囲気。


:倉庫にてルルーシュを何処か諦めきれない風の扇、ディートハルトを殴る扇
TV版ほどルルーシュへの疑念が高まっていない中、シュナイゼルに乗せられつつも
どこかルルーシュを信じたい部分もある葛藤……のようなものを監督は意図したのかもしれないが、それならそのあとにまでそうした描写を引っ張るべきだし、結局顔芸しているので優柔不断に更に磨きがかかっているようにしか見えない。
加えてディートハルトを殴るのも、ディートハルトがシュナイゼル側につく動機づけと「日本を返せ」をカットされた分の見せ場……のようなものを監督は意図したのかもしれないが(2回目)、ぶっちゃけ観客が殴りたいのはここまで何一つ役に立っておらず勝手にかくまったヴィレッタに終始振り回され、組織系統を崩壊させている扇だし、流石に「復活」で惨たらしく扇を始末する為の布石だと信じたいレベル。


:ディートハルトの扱い
興道から謎のサービスカット追加など明らかに優遇されていたディートハルトであったが、どうということもなく死んでしまうあたりよくわからない……
無印→R2でゼロ用の通信回線を仕込んで置いたりと繋ぎの小細工を色々やっているキャラだったがゆえに、「復活」にもディートハルトの遺産的なものが食い込んでくるのでは?


とまぁ雑に書いてきましたが、三部作を見てから特報見直すとまた滾るものがあって、あのイベントで、リアルタイムで「復活のルルーシュ」の文字が浮かんだ瞬間に爆発した感情は今でも強烈に残ってるんですよね。
打ち捨てられた仮面、暗躍(物理)するゼロ、素顔のスザク、新型ナイトメア……
再び騒乱へと突き進んでいく世界を前にして、かつて「歩みを止めないでくれ」とギアスをかけられた集合無意識であるところの私たちの、願いというギアスにより魔神が復活するという構造は分かっていてもあまりにも熱い。
であるならば敵は「時空の管理者」サイドなのか?
再び正史に辿りつくまでに産み出された外伝たちはどこまで回収されるのか?
そもそもどうやって復活するのか?
シャーリーの立ち位置は?

などと妄想しながら、次の特報を待ちわびたいと思います。